1. 医師転職のデメリット3選
医師転職のデメリットで主だったものを3つ紹介します。
それぞれがどういうものなのか把握した上で、リスクヘッジし、転職を進めることが成功への秘訣です。
順番に詳しくみていきましよう。
1-1. 経済的な喪失
1-1-1. 転職による給与減少のリスク
医師転職をする上での経済的デメリットの1つ目に、前の職場よりも給与が下がってしまうことがあります。
実際の給与水準は、病院や地域によって異なります。転職前にどれくらいの影響があるか確認する必要があります。
給与アップを目的に転職する場合は、本末転倒ですから、十分に注意を払う部分となるので、減額という結果になることは少ないかもしれません。
とはいえ、働いてみたら聞いていた額とは違ったということもありますから、入念に確認する必要があります。
また、スキルアップや、ワークライフバランスの改善などが目的の転職場合、給与については二の次になりがちです。
納得のいく給与であるか、しっかり確認するようにしましょう。
転職エージェントを利用すると、個人ではなかなかやりにくいこの手の話も確認がやりやすくなるのでおすすめです。
1-1-2. 引っ越し費用の負担
医師転職による経済的デメリットの2つ目が、転居に伴う費用です。
引っ越し費用や不動産会社の仲介手数料、新たな住居の設備・家具・電化製品の購入など、一時的な出費が増えることが考えられます。
転職先が補助をしてくれる場合もあるので、確認できるといいでしょう。条件として提示されていなくても、こちらから提案した場合、便宜を図ってもらえることもゼロではありません。
1-1-3. 経済的な安定性の喪失
医師転職による経済的デメリットの3つ目が、現職で、年功序列や勤続年数に応じた特典があった場合、それらがなくなってしまうことがあることです。
転職することが昔に比べて一般的になり、年功序列や勤続年数の考え方が見直されている世の中ではありますが、今もこのシステムのメリットが残っているところはたくさんあります。
転職することでそれらを完全に失ってしまうことになりますので、その損失をリカバリーできるような待遇や条件などで納得がいく転職ができるといいでしょう。
系列の病院などに移る場合(これを転職と呼ぶか異動と呼ぶかは微妙ですが)なにも変わらないこともあるので、確認してみるといいかもしれません。
1-2. スキルや経験の継続性の喪失
1-2-1. 専門領域や症例の制限
医師転職によって、専門領域や取り扱う症例に制限が生じることがあります。
新たな職場での診療方針や病院の設備・専門分野によっては、従来の専門性を活かせない場合が起こりえます。たとえば、循環器専門医が本来の専門分野から逸脱した診療を行うことが強いられる、転職先の病院が特定の病態を扱わない等の理由により、専門性が制約されることがあります。
スキルアップを念頭に医師転職を行う場合、十分に注意して見極めないといけません。
1-2-2. 現職での地位や役職の喪失
転職によって現職での地位や役職を喪失することがあります。
現職で、院長、教授、准教授、講師などのポジションの場合、転職後にその肩書がなくなる場合も起こりえます。せっかくマネジメントスキルを身に着けたのにそれを活かせないということもあり得ます。
この部分にこだわりがあるようでしたら、念入りに確認し、希望通りの役職に転職できるように確認する必要があります。
もう一つ注意したいのが、名称が同じでも、実際の指示系統や力関係が思っていたものと違う場合があります。民間病院に多い傾向にあると思いますが、この点についても事前に確認できるといいでしょう。
1-3. 人間関係の変化
1-3-1. 現職のチームとの関係解消
医師転職によって現職から離れることになり、同僚との関係の解消されます。
これまで築いてきた信頼関係や連携体制が無くなるわけですから、寂しいところでもありますが、気持ちを切り替えましょう。
言わずもがなですが、現職のチームには転職の意図や感謝の意をしっかりと伝えるように心がけましょう。また、引継ぎや連絡事項の確認、情報共有を適切に行うことで円滑な切り替えを図ることができます。
また共に働くこともあるかもしれませんし、知り合いの繋がりでお世話になることもあるかもしれません。誠意を持ってお別れをし、次の職場に備えましょう。
1-3-2. 新たなチームの文化や風土への順応
医師転職によって新たな病院やクリニックのチームに加わる場合、その組織の文化や風土への順応が求められます。
新たなチームのルールや習慣、コミュニケーションスタイルに適応するためには、素早く状況を把握し、柔軟な対応をすることが重要です。
前の病院ではこうだったからという思い込みは禁物です。
新しい職場を働きやすい職場にするのは、他でもない自分のためです。自ら積極的に情報を収集し、新たな環境への適応を心がけましょう。
一方で、新しい環境への適応は精神的な負担が大きいものです。転職という道では避けては通れない部分ですので、気楽に柔軟に取り組みましょう。
医師転職のデメリットについてまとめ
医師転職のデメリットについて紹介しました。
これらのデメリットは、入念な準備をすることでリスクヘッジが可能ですが、個人でそれを十分に果たすのは骨が折れます。
その場合には、転職エージェントが力になってくれますので、利用するのも一案です。
